コラム

写真台帳・写真報告書の作成を生成AIで効率化してみた

「工事写真アプリは写真台帳が自動作成できるのは便利だけど、黒板作成や入力作業が結局発生して、結局そこに時間を取られてしまう」

案外、そのように実感されている方も多いのではないでしょうか。確かに、写真台帳の自動生成は専門ソフトやアプリの登場により爆発的に普及しました。その結果、写真をPCに取り込んでExcelに貼り付ける作業は圧倒的に削減され、生産性の向上に大きく貢献しています。正直、この辺までは当たり前かもしれません。

ただし、いくら写真台帳が自動で作成されても、報告資料としてはその写真が示す工種・部位・仕様・場所などの情報も当然セットで記載される必要があり、この入力の多くは人間が行なっております。そんな課題を解決しようと、最近の写真管理アプリの中には、写真に写った黒板情報をAIに読み込ませて自動で情報を整理するといった便利機能が開発されていたりします。

ただ、もっと手軽にやりたい!AIでどうにかならない?––それが現場の本音。

そこで今回は、この入力作業を生成AIにどこまで肩代わりさせられるかサクッと検証してみました!
この記事では、検証の手順と精度、実践に向けての考え方を具体的に共有します。


前提:写真台帳作成の次に効率化すべき「情報入力」とは?

写真台帳は写真とともに工種・部位・仕様・場所などの情報を記入する必要があります。それは、撮影時にアプリで入力したり、報告書を出力する時に入力したりします。この工程にかかる手間が解決されれば、更なる効率化が見込めるのは明確です。
※ちなみに、写真台帳に現在どれだけ時間がかかっているか把握されていない方は、写真台帳の「あと作業」にかかる時間とコスト、把握していますか?|年間コストを試算してみたを参考に、積み重なるコストの算出から始めてみてください。

では、写真報告アプリsmart tag camera(スマートタグカメラ)を例に、どのような情報入力が必要なのか例を確認しましょう。

例① 部位・設備の入力

スマートタグカメラには、「外壁」「屋上防水-立上り」「空調設備-換気扇類」などの撮影対象の部位を選び、タグ付けする欄があります。ワンタッチで記録できて簡単ですが、現場が広かったり撮影枚数が多いと後回しにされることも多々あり、その場合、後から入力が必要になってきます。

例② 撮影場所の入力

報告書では似たような写真が多く並びます。よって、その写真がどこの写真かという情報も表現する必要があります。これも写真1枚ごとに入力しようとすると相当な手間です。もちろんアプリの機能でこの負担を軽減する仕組みもありますが、それでも多少の手間を感じるかもしれません。

他にも現場によって様々な情報の記載が求められます。では、これらの入力を今勢いのある「生成AI」に任せてみるとどうなるか検証してみましょう。


検証:生成AIを活用して写真台帳の情報入力を効率化してみた

今回の検証手順は次の3ステップです。

ステップ概要詳細使用するツール
土台作成情報入力せず、写真台帳と位置図を自動作成する写真報告アプリ「スマートタグカメラ
叩き台作成生成AIに写真台帳と位置図を読み込ませ、情報を入力させる生成AI
仕上げ生成AIが入力した内容を人が確認・修正し、報告書を仕上げる(人間)

スマタグで土台を素早く作り、生成AIには「叩き台」を作らせる。そのうえで最後は必ず人が確認・仕上げを行う、という役割分担にしました。生成AIに渡すもの(情報未入力の写真台帳と撮影位置図)と、返ってきた叩き台の関係は次の通りです。

写真報告アプリでの土台作成、生成AIでの叩き台作成、人による確認・仕上げという、生成AIを活用した写真台帳作成の流れ


結果:作業時間たったの5分。精度も十分

(今回はサクッと検証という内容のため正確な測定はしていませんが、参考程度にご覧ください)
まずこの検証において人間の作業時間はたったの5分です。生成AIに指示を投げて、処理が終わったら確認して必要な修正を行うのみです。そのため、それ以外の時間は他の作業に充てることができます。

また、生成AIが作成した叩き台としての情報入力の精度は以下となりました。

項目叩き台の精度補足
部位・設備8〜9割対象を特定の部位・設備に絞り込むほど精度が安定する
撮影場所6〜7割位置図の記載情報や解像度によって精度が変動する

今回のケースでは、部位・設備の情報は、ほとんど修正が不要なレベルまで精度が出ました。今回の場合、写真内の情報が限定的だったことも影響していると思われますが、期待以上の効果が得られる結果となりました。
一方、場所については位置図の品質に左右されやすく、情報量の少ない図面では精度が下がる傾向がありました。逆に言えば、その特徴を意識した位置図を作成すれば良いということです。そもそも、位置図の作成が大変です…という方は、写真付き報告書における撮影位置図とは?作成を効率化する方法を解説!をご覧ください。


まとめ:生成AIを「うまく」使えば写真台帳の作成は効率化できる

今回の検証から見えてきたのは、生成AIをうまく使えば、実際の写真台帳の作成でも有効だということです。ただし、そのためには「生成AIに一気に完成品を作らせる」という大雑把な考え方ではなく、「人とツールと生成AIで作業工程を分けて実行する」という役割分担の考え方が不可欠です。特に、実践に向けたアプローチとしては次の3点を意識するといいでしょう。

AI処理に必要な土台は、専用ツールの自動生成に任せる

まずは、AIへの指示出しに必要な土台となる情報(インプット)を速攻で作成するのが重要です。このインプットをもとに生成AIは処理を実行するため、この質が安定しないと最終的な成果物(アウトプット)の質も期待できません。写真の撮影、写真台帳のフォーマット化、位置図の作成といった土台部分は、smart tag cameraのような専用ツールに任せた方が速く、抜け漏れも少なくなります。

生成AIの得意不得意を知り、人間が合わせる

「この工事は精度が高いな」「この撮影方法は解答がブレるな」など生成AIのアウトプットの品質がわかれば、それを軸に人間が確認を行う運用が最適です。不得意な部分がわかっていればそれに合わせるだけなのです。
中には「100%の精度が出ないとダメだ」という意見もありますが、0か100かで判断すると、いつまで経っても先送りで成果は一向に得られません。最初から万点を取ろうとする考え方ではなく、生成AIの間違いが多い箇所を意識的に人間が確認したり、指示を見直したり、段階的に補完しながら進めればいいのです。そのためには、実践を繰り返しながら、生成AIの得意不得意の勘所を実際に肌で感じることが肝心と言えます。

最終的には人間が確認を行う

当然、生成AIにすべて任せるのではなく、最終確認は従来通り人間が行うという前提付きです。単純作業の多くをツールやAIが担い、人間はそのレビューを行い責任を持って実務を完遂する、というメリハリのある役割分担と運用設計こそが重要になってくるでしょう。

写真報告書とAIの組み合わせにおける実務上の可能性については、写真報告書×AIとは?|自動生成・業務効率化の可能性を解説でも解説していますので、あわせてご覧ください。写真台帳作成に限らず、現場のさまざまな業務でも応用できる考え方なので、身近な作業から役割分担を試してみることをおすすめします。


土台となる写真台帳をスマートタグカメラで自動作成しましょう

smart tag camera(スマートタグカメラ)は、現場での撮影から写真台帳・位置図の作成までを完結できる現場向けのアプリです。撮影時にタグを付けるだけで写真が自動的に仕分けされ、図面上の位置情報とあわせて管理できます。これさえあれば、現場の技術者は事務所に帰って1~2時間かけて報告書を作成する必要はなく、より現場作業に専念いただけます。

本記事でご紹介したような、生成AI活用も合わせたご相談も大歓迎です。下記よりお気軽にお問い合わせください。

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