コラム

【コラム】案件が少ない会社にDXは不要?

はじめに:「DXの要否は案件数による」という直感


「うちは案件が少ないから、アプリやクラウドを使ったDXは不要かなぁ」
「現状の案件数であれば従来のやり方で十分」
建物調査やインスペクションなどの現場で、よく耳にする言葉です。費用対効果を考慮した適切な判断ともいえます。

しかし本当に、案件が少ない会社にDXは不要なのでしょうか。
この記事では、あえて逆に「案件が少ない会社だからこそ」取り組むDXの価値について整理してみました。


案件が少ない会社ほど、1件の重みが大きい


まず押さえておきたいのは、建物調査やインスペクションなどの案件数が少ない会社ほど、1件1件の影響が大きいという点です。
例えば、年間調査10件の会社と、100件の会社を比べてみます。

・10件のうち1件で満足度が悪ければ、全体の10パーセントが傷つく
・顧客の中での評判も、その1件に強く左右される
・その1件からのリピートや紹介があるかどうかで、来年の受注が変わる

案件が少ない会社にとっては、単に1件の売上というより、粗利・紹介・評判を含めた「一つの関係性」としての重みが大きいのです。

そして、その関係性に最も影響を与えるのが、「品質」つまり「顧客にどれだけ分かりやすく説明できたか」です。
これは、専門性の高いサービスであれば当然の指標であり、調査や報告を通じて、

・何が起きているのか
・どこを注意して見ておくべきか
・今後どのようなアクションを取るべきなのか

といったポイントが伝わるかどうかで、「また次もお願いしたい」「知り合いに紹介したい」の言葉が引き出せるかが変わってきます。
つまり、1件1件の「品質」「説明力」に向き合うことが、未来の案件獲得につながるということを押さえておく必要があります。


DXで高まる「品質」「説明力」


その「品質」「説明力」を考える上で重要な要素があります。
それは、建物調査やインスペクションの場面では、最終的には写真や図面が説明の主役になるということです。

・ひび割れや劣化部分の様子
・設備機器の状態
・雨漏りや腐食の状況
・具体的な不具合箇所

いくら言葉やテキストで説明しても、クライアント側は「実物の写真や図面を見て納得する」ことがほとんどです。
ところが現場の運用をよく見ると、

・スマホのカメラロールに現場写真が埋もれている
・共有フォルダのどこに何の写真があるか分かりづらい
・報告書を作るたびにフォルダを行き来して貼り付けている
・正確な撮影位置を失念してしまった

といった単純作業に時間をかけてしまいがちです。
これでは、本来時間をかけたい「わかりやすい表現」「説明」の前に時間と集中力が奪われてしまいます。
一方、DXソリューションを使えば、

・現場で撮る
・自動で分類される
・図面や調査項目と紐づく
・そのまま写真台帳や報告書に出力できる

という運用ができるため、単純作業より「品質」に関わることに時間を使えるようになります。
つまり、DXは決して「多数案件を捌くための省力化」のみが目的ではなく、限られた時間を「品質」や「説明力」にシフトさせる役割もあるのです。


数件でも、1件あたりの段取りコストは意外と重い


年間件数が少ないと、

・毎回、前回のフォーマットやチェックリストを思い出すところから始まる
・担当者によってフォルダ構成、レイアウト、表現がバラバラになる
・久しぶりに扱う現場では、過去の写真を探すのに時間がかかる

など、1件あたりの段取りコストが大きくなりやすい。
案件が多い会社は、それはそれで大変なのですが、繰り返しの中でやり方が固まりやすい側面があります。
一方、案件が少ない会社は「思い出しながらやる」ため、運用にモタつきがどうしても発生してしまいます。

このような場合、運用を人ではなく「仕組み」に求めるのが効果的です。
その点、DXソリューションで「どの現場でも、いつも同じ流れで撮る・整理する・出力する」という型をつくっておけば、件数が少なくても毎回迷わず進められます。
この「段取りの迷いをなくす」効果は、実は案件数の多寡に関係なく効いてきます。


「増えてからDX」に潜むリスク


「案件が増えてきたら、そのときに考えます」
しかし、どのようなツールも、案件が増えてから慌てて導入すると、現場にとっては負担に感じられがちです。

・覚える時間がない
・運用ルールを整える余裕がない
・既存案件と新規案件でやり方が二重管理になる

結果として、「ツールを入れたのに余計に大変になった」という印象が残り、現場からの反発を招くこともあります。
むしろ、案件が比較的落ち着いている時期だからこそ、

・撮影ルール
・チェックリストの方針
・調査から報告書を作るまでの流れ

を、仕組み化し運用に定着させるチャンスです。
今のうちにツールと運用に慣れておけば、将来案件数が増えたとしても、「いつものやり方をそのまま繰り返すだけ」で対応できます。
大きな波が来る前に、足場を固めておくイメージに近いかもしれません。


まとめ:「むしろ、DXを武器に案件を増やす」という視点


「案件が少ないからDXは要らない」という判断は、一見合理的に見えます。
しかし視点を変えてみると、

・少ないからこそ、1件の品質と説明力の影響が大きい
・少ない今だからこそ、小さなDXを整える余裕がある

という、構図が見えてきます。

DXは、省力化のためだけの手段ではありません。
1つ1つの案件を、軽く・分かりやすく・次につながる形にするための「武器」としても有効です。
もしあなたが、「案件をこれから増やしていきたい」と考えているのであれば、現状の件数ではなく、「品質」と「運用」という軸で、「攻めのDX」を検討してみてもよいかもしれません。


あなたの武器になる!おすすめDXソリューション


「攻めのDX」を目指すなら、写真報告に特化したDXソリューションがおすすめです。

・今の写真整理・報告書の流れを一度棚卸ししてみたい
・他社の運用例や、アプリの活用イメージを知りたい

と感じられた方は、ぜひ資料請求してみてください。
また、無料相談も随時対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
現状のやり方を前提にしながら、「どこから少しずつ変えていけそうか」を一緒に整理します。

一覧へ戻る